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  • 執筆者の写真樋口藍花

裏話①*世界が泣くほど愛してる

更新日:2021年1月30日

こんばんは。樋口藍花です。




現在、『世界が泣くほど愛してる』を第19回角川ビーンズ小説大賞に向けて修正作業中です。

前回は野いちご大賞に応募していて出せなかったので、今回は角川ビーンズ文庫の方にも応募してみる事にしました。

そのついでに思い出深いこの作品について少しだけお話させください。




『世界が泣くほど愛してる』は私が高校生の頃に原案を作ったお話です。


勉強に追われていた高校時代は長編小説を書く余裕がありませんでした。

いつか時間ができたら書き上げて欲しい、

そう未来の自分にメモみたいなプロットを丸投げしたのがこの作品です。

しかもプロットは導入部とキャラ設定のみ。


……そうです、

オチは決まっていなかったんです!!

※ちなみにプロットは紛失しました泣




お話が生まれた時から私の中には、

萌香と夏人とアキさんがいました。


萌香はプロットでは『羽月優衣子』という名前を付けていました。

『優衣子』は他作品のキャラに使うことになり、萌香に名前を変えました。

でも萌香って名前の方が萌香には似合っていると私は思ってます。


引っ込み思案の萌香。

明るい夏人。

謎の人物・アキさん。

キャラ設定は最初から同じだったので、

ずっと彼らと生きてきたといっても過言ではないでしょう。



↓↓以下、ネタバレ含みます












今回は『お話ができあがるまで』と

『世界観』に関するお話です。





お話を作った時から、

夏人=アキさんでした。

未来からやってきたアキさん(夏人)は過去の自分ではなく過去の萌香にしか見えない。

どうすれば大切な人の運命を変えられるのか?

それがこのお話ができたきっかけでした。

たぶん『時をかける少女』に影響を受けているんじゃないかと笑



…実はオチが決まるまで、

なんと7年かかりました。

どうすれば綺麗にまとまるのか?

本当に思いつかなかったんです。


この物語をオチに辿り着けたのは、

『orange』という映画に出会えたからだと思ってます。

『orange』、知ってますか?

未来の自分から手紙が届き、亡くなってしまう運命にある翔を主人公の奈緒や須和たちが救うというお話です。めっちゃ泣けます。


あの作品の中でこんな話がありました。

時間軸は平行である。

過去を変えると新しい時間軸ができるだけ。未来は変わらない。

映画では奈緒たちが翔を助けても手紙をくれた未来の奈緒の元に翔は戻ってこないという事でした。


あれは衝撃でした。

私が1番泣いたのはその話を聞いて手紙の送り主は救われないと気付いた時でした。


その時に思いついたんです。

世界が泣くほど愛してるも平行な時間軸のお話にしみればいいんじゃないのか。

夏人は何度も過去に戻ってきていて、

少しずつ未来を変えていって、

最後のチャンスで萌香を救うという展開にすればまとまるんじゃないの?と考えたんです。


140ページのシーンより


ここで夏人が毎年同じ日に同じ夢を見ていると話しています。

つまり夏人が夢を見た回数だけ別の時間軸ができているという事です。

(分かんねぇよ伝わんねぇよ)


また過去の夢では萌香を救えなかったという事になっています。

実はベースになる時間軸では萌香は亡くなっているんです。

これは番外編『君をきっと、僕はずっと』に途中まで書いている話です。


ベースの時間軸の20歳の夏から夏人のタイムリープは始まり、夢の中で過去に戻っては萌香を救おうと奔走します。

夏人が夢の中で過去を修正する度に新しい時間軸が増え、夢が終わるとその時間軸上の現在の夏人の元に意識が戻っていく…という設定です。


図解すると下記の感じになります。




これを本編で伝えるのは無理だ(悟り)

一応、別の時間軸に行っても見る夢の内容は同じって事にしてました。

20歳の時に見た夢は別軸の20歳でも見てる…みたいな。

あれです、矛盾をなくそうと設定だけ細かくなったんです…っ



もう1つ。

二人が結婚するのは11回目の夏=26歳です。

16歳から10年後となります。

本編は萌香と結婚しますが、

萌香のいない時間軸では夏人は26歳の夏に他の女性と結婚する、それ以来萌香の夢を見なくなるという設定がありました。

番外編で書けるか分からないネタなので、

もうここで晒します!笑


この設定を本編でほとんど晒さずに終わってるの逆に虚しいですよね。

全部見せる必要はないよね?と思いますが、

伝えられないのは私の力量であり、技術不足です。


設定を知って『世界が泣くほど愛してる』の奥行が深くなっていただけたら嬉しいです。

またこの手の話を語りたいと思ってます。



以上。樋口藍花でした。

ありがとうございました。






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